看護師が新卒で精神科に就職しても大丈夫?【精神科ナースの体験談】

私が学生だったころ、新卒で精神科に就職しても大丈夫かな?と随分悩みました。今の私の考えは明確で、

 

新卒で精神科に就職しても大丈夫!

だと思っています。

その前に、私が働いている精神科の特徴からご紹介したいと思います。

精神科の特徴とは

  • 患者さんの精神的な病の治療、リハビリをする
  • 患者さんとのコミュニケーション、関係性が大切
  • 患者さんの個性や気持ちを理解し、尊重する
  • セルフケアが不足している患者さんが多いので、その援助やできる方法を工夫する
  • 基本的に、ゆったりとした時間が流れている
  • 一般科と比べると身体的看護が少なく、医療処置や技術を行う機会が少ない
  • 長期の入院患者さんが多い
  • 自殺企図や自傷行為を行う患者さんもいるため、安全に過ごせるように援助する
  • 暴力行為の危険性が少なからずある

これに合わせて、精神科で働くメリット、デメリットも考えてみましょう。

 

精神科で働くメリット

  • 患者さんとのコミュニケーション能力や対人関係能力が鍛えられる
  • 自分自身を理解することにも繋がり、自分自身のストレス対処や心を健康に保つことにも長ける
  • 医師の指示に従うだけではなく、看護師の判断で対応することも多く、看護師としての専門性を発揮できる
  • 業務がゆったりとしていて、身体的負担が少ない

 

精神科で働くデメリット

  • 医療処置や急変が少ないため、技術が身につくまでに時間がかかる
  • 日々の変化が少ないため、バリバリ働きたい人には物足りなさを感じる人もいる
  • 暴力や暴言などを受ける危険性がある(多くはありません)

このような事実を踏まえて、私の体験談も少し交えて新卒での精神科への就職について考えてみたいと思います。

 

 

私自身の体験談と考え

私は、学生の頃からずっと精神科に興味があって働きたいと思っていたので、新卒から精神科にいくかどうか本当に悩みました。

精神科で働きたいけど、やはり最初は急性期で経験を積んだ方が良いのではないか?
最初から精神科だと、途中で他の科にはうつれなくなってしまうのでは…
そもそも、自分は精神科に向いていないんじゃないか?
でも、やっぱり働きたい…と、堂々巡りになっていました。

丁度就職先を選ばないといけない時期に差し掛かり、一人では決めきれなくて私は学校の先生に相談に行きました。

すると、先生は、

「私は新卒から精神科で勤めても良いと思うよ。働きたいという気持ちがあるのなら、若いうちの方が柔軟性や適応力があると思うよ。
何事も年いってからだと頭が固くなって適応しにくくなるからね。」

と何にも悩まずに答えてくれました。

私はそれを聞いて気持ちがスっと楽になったことを覚えています。

今思うと、きっと誰かに背中を押してほしかったんでしょうね。

それから私は大学病院に就職し、精神科を希望しました。
しかし、残念ながら私の希望は通らず、最初は外科病棟で働くことになってしまいました。

仕方ないと諦め外科で働いていましたが、私が強く精神科を希望していたことを看護部長さんが覚えてくださっていて、2年後精神科に異動することができました。
この時には、気の弱い自分にしては珍しく、入職時の面接で「精神科に行きたい!」と猛アピールをしておいて良かったと思いました。

念願の精神科で働き初め、たくさんの看護師さんを見てきましたが、それぞれの看護師さんの経歴は本当に様々です。

新卒から何十年もずっと精神科だけで働いている人、
一般病棟で働いてから精神科にうつってきた人、
会社員をしていたけど、精神科の看護師になりたいと言って転職をしてきた人もいました。

精神科では、よく言われているように、看護技術や処置は一般科と比べると少なく、身につきにくいかもしれません。

でも全くないというわけでもありません。

最近は高齢化も進んでいて、身体合併症を併発している患者さんもたくさんおられます。

点滴やカテーテルの留置、褥瘡の処置なんかは割とあります。
酸素吸入や経管栄養、透析をしている方もおられます。
色んな疾患を持った方が入院してこられるので、その都度勉強していけば、意外とオールマイティに学ぶこともできますよ。

ただ、やはり専門的な手術や治療など、精神科で経験できないことも確かにあると思います。

でも、それはどの科にいっても同じことではないでしょうか?
どの科にもそれぞれの特色があり、その科でできることを学ぶ。
私はそれで良いと思います。

逆に考えると、精神科でしか学べないこともたくさんあります。

いくら一般科の経験が長かったとしても、精神科で必要な知識や技術は全く異なりますし、また1から学ばないといけません。

この時に、昔先生から言われた「若いうちの方が柔軟性と適応力がある」という言葉の意味が少しわかったような気がしました。

新卒から長く精神科で働いている人は、やはり精神的な観察力や判断力、急変時の対応が的確で、患者さんとのコミュニケーション力もずば抜けています。
困った時にはいつも相談に乗ってもらい、本当に頼りになる存在です。

もちろん、まず一般科で働いてから精神科に転職、ということを否定しているわけではありません。
身体的に何かあった時にはやはり一般科を経験している看護師さんの判断はとても心強く、いつも助けられています。

どっちが良いというわけではなく、どちらであったとしても、自分の経験してきたことが強みとなって必ず活かされると、色んな看護師さんを見て私は思いました。

結局は自分が「やりたい」と思った時が一番だと思うのです。

最初から精神科に入ると、途中で他の科にうつれなくなってしまうのではと不安に思っていましたが、そんなこともありません。

新卒で精神科に入り、そこから一般病棟や救急に転職した人もたくさんいましたが、みんなちゃんと働けていますよ。
安心してくださいね。

精神科で働きたいと思っているのであれば、
新卒だからと遠慮せず、自信を持って働いてください!(^^)

 

 

ライフイベントのことも考えて

少し目線がずれてしまうかもしれませんが、
特に女性の場合には、結婚や妊娠、出産などのライフイベントによって、気持ちとは裏腹に働けない時期が出てくるかもしれません。

最初はそんなつもりはなくても、急に運命の人と出会って退職しなければいけなくなる、なんてこともあるかもしれません。

そんな時に、本当は精神科で働きたいと思っていたのに、精神科にたどり着く前に退職することになってしまったら、なんだかちょっと悲しくないですか?

もちろん、生活が落ち着けばまた働ける時期は来ると思いますが、何年もブランクがあると「若いうちに精神科で働いておけば良かった」という思いが残ってしまうかもしれません。

新卒から精神科で働きたいと思うくらい意欲がある人であれば、精神看護の専門看護師を目指している人、
目指すまでいかなくても少し興味がある、という方もおられるのではないでしょうか。

精神看護の専門看護師の受講資格には、通算5年以上の看護実務に従事し、そのうち3年以上は精神科看護に従事していること、となっています。

少しでも早く夢に近づきたいのであれば、早めに精神科を経験するのも悪くないかもしれませんね。

 

 

理由や動機は何でも良い

もちろん、目指す理由や動機は何でも良いですよ。
こんな理由で良いのかな…なんて思うかもしれませんが、心配する必要はありません。

私の周りの看護師さんに聞いた、精神科を目指した動機をいくつか例で挙げてみます。

  • 心の看護に興味があったから
  • 家族や友人が精神疾患を患っているので、自分が勉強して役に立ちたかったから
  • 精神科が看護の基礎だと思ったから
  • 精神科の実習で、働いている看護師さんがカッコよく見えて、自分もこうなりたいと思ったから
  • おっとりした性格なので、外科や急性期は向いていないと思ったから
  • 小さい子供がいるので、保育園のお迎えなどのため残業ができないから

など、自分が興味があるという理由だったり、自分の性格、またライフスタイルから考えるという
概ね3パターンに分かれるのかなと思いました。
必ずしも精神科に対するモチベーションがものすごく高い、というわけでもないので安心してくださいね。

どんな理由であっても、精神科で働こうと思ったのであれば、それが立派な理由です。
胸を張ってくださいね。

履歴書の書き方は、こちらを参考にしてください。

 

 

自分は精神科に向いている?

これも、働く前はすごーく気になりますよね。
興味はあるけど、働いてみて自分が向いていなかったらどうしよう…って。

私が思うには、どんな人でも向いていると思います。

だって、患者さんだって色んな人がいます。
それぞれ人と人との相性は様々ですし、患者さんと相性の合う看護師も様々です。
同じような看護師ばかりでは色んな患者さんに対応できません。

色んな看護師がいて良いのです。

ひとつだけ挙げるとすれば、「ルールや約束を守れる」ということかもしれません。

精神科は特殊な環境であり、病棟のルールというものが存在します。
患者さんそれぞれにも、「この患者さんにはこういう対応をする」という医師からの指示があったりもします。
それらのルールを守れなかったり、患者さんとの約束を平気で破ってしまうようであれば、
患者さんからの信頼は全く得られず、関係性が築けません。

精神科では長期の入院患者さんが多く、患者さんとの関係性がとても大切になるので、
まず信頼してもらうには自分自身が注意する必要はありますね。

私が思う精神科に向いている人とは、これくらいです。
無理に精神科に合わせようとするのではなく、自分の個性を大切にしてくださいね。

 

 

看護技術が学びたいなら総合病院の精神科病棟

それでもやっぱり技術が身につかないことが心配!という方には、
私は総合病院の中の精神科病棟をオススメします。

理由は、下記が挙げられます。

・単科の精神科病院と比べると身体疾患を併発している人が多く、医療処置や技術を行う機会が多い。
(精神科病棟内でも、手術や透析、出産なんかもありました)
・身体的判断に困った時に、病院内に専門の医師や看護師がいるので、すぐに相談することができる。
・病院内で色んな科の勉強会に参加することができるので、学ぶ機会が得やすい。
・教育体制が整っているので、しっかりと指導してもらえる。
・もし精神科が合わないと思ったら、他の科に異動することができる。

このように、精神科でありながらも身体的な知識や看護技術が身につきやすい環境があると思います。

 

 

精神科を極めたいなら単科の精神科病院

逆に、身体的な看護よりも精神科を学びたい!と思っているのであれば、単科の精神科病院をオススメします。

上とは逆の理由です。

・より専門的に精神科を学ぶことができる。
・身体疾患を併発している人が少ないので、医療処置を行う機会が少ない。
(病院内で対応できない時は、専門の病院に転院し、治療が終わったら戻ってくるという流れが多い)
・医療処置や急変が少ない分、患者さんとゆっくり関われる時間が多い。

 

 

迷った時には看護師求人サイトが便利

病院ごとの特色を具体的に知りたかったり、働きたいと思っている病院が実際どうなのか知りたければ、看護師の求人サイトに登録して、キャリアアドバイザーから情報を聞くことができます。

私は大手のナースではたらこMCナースネットを結果的に愛用しています。

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登録は簡単。必要事項を入力して送信するだけです。私も、転職の度にお世話になっています。ぜひ、活用してみてくださいね。

*  *  *

 

どの転職会社を利用すれば良いの?

転職会社といってもたくさんあるので、どれに登録したら良いかわからない、
という人も多いと思います。

今回は、新卒の人にオススメの転職会社をいくつか紹介したいと思います。

 

新卒と言えばナースではたらこ(大手)

ナースではたらこ(大手)は業界でも新卒に力を入れている転職会社として知られています。看護師の友人たちからの評判も良く転職後の満足度も高いですよ。

 

●大学病院・公的病院に行きたいなら大手転職会社
大学病院や公的病院に行きたいなら「ナース人材バンク」という大手転職会社がおすすめ。
大手なので最初に相談していた人と病院との面接のときに来る担当者が違うなどということもあるのでやや不安になる人もいるかもしれません。
しかし求人の数はたくさん持っているので、選択肢は広がります。
はっきりと「こういう病院に行きたい」と決まっている人には、対応が早いのでおすすめです。

 

●クリニックに行きたい人はナースパワー(中小)
クリニックを探したい場合、転職会社側は手間を嫌って対応が後回しになる ケースが見受けられます。
特に大手の転職会社は担当者に課せられている営業ノルマも厳しい傾向にあるので、中小企業の転職会社がおすすめ。

首都圏:看護プロ(就職が決まると~10万円のお祝い金がもらえる)
全国:ナースパワーMCナースネット など

 

●じっくり決めたい人も中小の転職会社
はっきりと行きたい病院が決まっておらず、じっくり相談しながら決めたい人は中小の転職会社が良いでしょう。
上記と同じ理由で、大手の転職会社はじっくり話を聞いてくれない傾向にあるので中小の転職会社を使うのがおすすめ。

首都圏:看護プロ(就職が決まると~10万円のお祝い金がもらえる)
全国:ナースパワーMCナースネット など

 

●どういう病院が良いか全然わからない人
大手転職会社と中小の転職会社を合わせて2~3件ほど同時に使うのが良いでしょう。
色々な情報を聞いた上で自分に合った転職会社を選ぶことをおすすめします。

例)
ナース人材バンク(大手)
ナースではたらこ(大手)
ナースパワー(中小)

***********

転職会社はたくさんあるので、転職会社ごとの特徴はこちらでご紹介したいと思います。

みなさんが、納得できて満足のいく病院に出会えるように祈っています。

精神科で働くメリット~精神科は楽?~

私が考える精神科で働くメリットをまとめてみようと思います。

患者さんとじっくり関わることができる

精神科は、医療行為よりも生活援助やコミュニケーションを行う機会が多くあります。
それらを通して、患者さんとゆっくり関わることができます。

一般科では、バタバタしていて患者さんとゆっくり関わる時間を取れないことや、
充分な看護を提供できなことに
申し訳なさやはがゆい気持ちを抱えてしまう看護師さんも多いと思います。

でも、精神科では関わること自体が治療であり看護です。
一人ひとりと向き合いながら一緒に考えたり、見守ったり、存分に関わることができます。

患者さんともっとゆっくり関わりたい、丁寧な看護を提供したいと思っている看護師さんには、
とても良い環境だと思いますよ♪

看護師の専門性を発揮できる

精神科では、看護師の役割がとても重要であり、
看護力で精神科の治療が決まると言っても過言ではありません。

医師も看護師の持っている情報を非常に重要視しています。
医師の指示に従って動くのではなく、看護の視点を持って考えて、
対等な立場で意見を交わすことができますよ。

精神科の治療では、看護師の観察力と判断力が問われます。
患者さんのちょっとした変化を見逃さずに、臨機応変な対応ができるようにしたいですね。

精神科は、医療行為よりも患者さんとの関わりや生活援助が多い科です。
その中で、個別的な看護を考え、提供しながら必要な情報を得て
治療に反映させていきます。
看護師の専門性を思う存分発揮できる科だと思います(^^)

身体的に業務が楽、残業が少ない

よくイメージである通り、他科と比べると精神科は業務が身体的に楽だと思います。

理由は、
・身体的な処置が少ない
・ADLが自立している人の割合が多い
・生死を争うような重篤な場面はほとんどない

これらが考えられます。
何も起こらない日は、本当に何もありません。
夜勤でも、落ち着いていれば見回りだけで終わるような素晴らしい日だってあります。

もちろん、日によって忙しい日もありますが、
基本的には業務に余裕があることが多いです。
そのため、残業もほとんどなくプライベートの時間を充実させることもできます♪

小さなお子さんがいらっしゃる方や、年とともに体力がなくなってきたという方、
余裕を持って仕事をしたいという方には
オススメだと思います(^^)

人間関係が良い

私が今まで見てきた精神科で働いている人は、
医師も看護師もその他のスタッフも皆優しい人たちばかりです(^^)
病棟はとても和やかな雰囲気で居心地が良いですよ。

人間、忙しいとどうしてもピリピリしてしまったり余裕がなくなって
周りへの配慮ができなくなってしまいます。
だからよく看護師は怖いって言われるんですよね^^;
でも、精神科病棟は、上にも挙げたように業務に余裕があることが多いです。

また、精神科を目指す人は元々優しい人だったり穏やかな性格の人、
人の気持ちを大切にしようとする人が多いように思います。

そして治療を行うためにはスタッフ同士の協力が欠かせない科でもありますので、
先輩後輩関係なく、皆協力して仕事に取り組んでいます。

最初に外科で働いていた時は、先輩が怖すぎて
勤務が被らないかを毎日ビクビクしながら確認していました^^;笑
でも、精神科ではそんな必要はなく、のびのびと仕事ができていますよ☆

ストレスが少ない

看護師として働いていて、ストレスが溜まるのってどんな時ですか?
仕事が忙しくて余裕がない、毎日疲れて帰って寝るだけ、
生死を扱う仕事に責任を重く感じる、先輩がこわい…

色々理由はあると思います。
しかし、今まで挙げたことを振り返ると、精神科はほとんど当てはまりません。

つまり、業務的にも人間関係的にもストレスがかかりにくい科だと私は思います。
ストレスの感じ方は人によっても異なるので一概には言えませんが、
精神科で働くことでストレスの対処能力も長けてきます。
これも大きなメリットの一つですね☆

精神科の技術はプライベートで活かせる

精神科で身につく技術は、コミュニケーション能力や対人関係能力、
自分自身のストレス対処能力などが大きいと思います。

これらは、仕事中だけではなく、プライベートでも大いに活かすことができます。

以前、精神科医の先生から言われて非常に胸に残っている言葉があります。
「精神科で学んだことは、他の科にうつったとしても、仕事を辞めたとしても一生役に立つよ」

この言葉は本当にその通りで、精神科で今学んでいることは、
看護師人生としてだけではなく、
人として大きく成長できる要素だと思っています。

そう考えると、絶対に無駄にならないし頑張ろうって私は思えます(^^)

デメリットは?

このように、精神科で働くメリットはたくさんありますね。
逆に、デメリットを考えてみましょう。

・医療行為が少ないため、技術が身につきにくい
・患者さんとの関わりに疲れることもあるかもしれない
・患者さんからの暴言、暴力の危険性が少なからずある
・ゆっくりすることが苦手な人には物足りないかもしれない
・お給料が高くない

これらのことが考えられます。
当然ではありますが、良い面もあれば、良くない面もあるということですね。

自分が何をしたいと思っているのか、何を望んでいるのかを考えれば
自ずと答えは出てくるかもしれませんね☆

もし、一人では決めきれなくて迷っているというのであれば、
看護師転職会社に登録すれば相談に乗ってもらえます♪
自分に合った病院も探してもらえますよ。
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精神科に入院している患者さんの特徴

精神科に入院している患者さんてどんな人?

怖い?おとなしい?挙動不審?

患者さんといっても、人によって疾患や症状は千差万別です。
元の性格だって当然違います。

だから、正直一括りになんてできないんです。
できないのですが、私が普段関わっていて感じている、共通しやすいいくつかの特徴を
看護の視点も含めて考えてみようと思います。

患者さんは、私たちと変わらない

まず、最初に念を押して言いたいことがあります。

「精神科の患者さん」というと、とても特殊な人のように思ってはいないですか?

そんなことはありません。
私たちと同じ、一人の人間です。

私たちだって、仕事や人間関係、恋愛、育児や介護などの家庭環境。
色んな事情があってしんどくなる時ありますよね。
イライラして物や人に当ってしまったり、悲しくて涙が止まらなかったり、
時には情緒不安定になってしまうことだってあると思います。

それと一緒ですよ。特別なことではありません。
何かをきっかけに、少し心が疲れてしまって、その休憩をしているだけなんです。
そのことを忘れないでほしいと思います。

精神科の患者さんだからと区別するよりも、
人として誠実に関わることが最も大切であると日々感じています。

病識が乏しい人が多い

精神疾患は、まだまだ正しい理解が得られていないこともあり、
自分の苦しんでいる症状が、疾患のせいであると認識できていない方が多いように思います。

「自分は健康で、病気であるはずがない」と認められない人や、
「何もかも自分が悪いんだ」と自責的に考えてしまう人もいます。

病識が十分でないと、治療の必要性が正しく理解できないために、
入院することやスタッフに拒否を示してしまうこともあります。
患者さんにとって必要な治療が行えなくなってしまうのです。

ある程度症状が良くなって退院できたとしても、
もう大丈夫と思って自己判断で内服を中断してしまい、再発する人も少なくありません。

患者さん、また家族にも疾患に対する正しい知識を持ってもらうことは、
治療を行う上で非常に重要です。

そのためにも、医師や看護師を含めたスタッフはみんな患者さんの味方である、
私たちは苦しんでいる患者さんを助けてあげたいんだ、という気持ちが
患者さんに伝わらなければいけません。

看護師は、このような患者さんとの信頼関係を築くための働きかけは欠かせません。
そして、疾患や治療に対する教育的な関わりを根気強くしていく必要がありますね。

ストレスの対処が苦手

精神科の患者さんは、ストレスの対処が苦手な方が多い印象です。
苦手だからこそ発症しやすいのかもしれませんね。

ストレスの対処が苦手な人は、日常生活で何か嫌なことやストレスがかかった時に
自分自身で対処することができなくて、精神的にしんどくなったり
暴れたり自傷行為などの間違った行動に出てしまうことがあります。

自分は今ストレスを感じているという現状、
そしてその原因を自覚することがまず必要です。
意外に自覚できていない人が多いんですよ。

自覚ができれば、何かしらの対策を考えることができますね。
そのストレスから離れたり、数をこなしてストレスに慣れさせる方法もあります。
自分の考え方や捉え方を変える努力をすることもできます。

また、どうすればストレスの発散ができるのかを知ることも同様に大切です。
例えば、映画を見る、散歩に出かける、音楽を聞く、
人によって対処方法はそれぞれだと思いますが、
自分自身の心が落ち着ける方法を見つけられたら良いですね。

このような取り組み、特に自分の考え方を変えるという働きかけは
「認知行動療法」と言って、専門的な知識や技術が必要になってきますので、
心理士さんが主に関わっていかれると思います。
けれど、看護師もその取り組みを理解して関わり方を考えていかなければいけません。

ストレス反応によって出現する症状もさまざまです。
人によっては寝たきりでセルフケアを行うことができなくなったり、
自傷他害に走ってしまう人もいます。
幻聴や幻覚に襲われる人もいます。

そのような症状に対する看護、また安全を確保できるような援助を行うことが看護師には求められます。

対人関係が苦手

精神科の患者さんは、元々の性格が自分の意見を主張できないようなおとなしい性格の方が少なくありません。
また、これまでの人生で人間関係を上手く築いてこれなかったり、
何かしらのコンプレックスやトラウマを抱えている人もおられます。

そもそも、若くして発症した人は、若い頃から長期間の入院生活を過ごさなければいけなかったり、
家に引きこもってしまったりして、人と関わる体験そのものが少ないという方も多くおられます。

このような患者さんは、
人からの言葉や態度に敏感になっており、人間関係を築くことに臆病になっていたり、
築き方自体がわからないという方が少なくないのです。

看護師が話しかけても反応がほとんどなかったり、
上手くキャッチボールができない患者さん、
威嚇してくるような患者さんや、我儘ばかり言って相手を振り回す患者さん、
様々なタイプの方がおられます。

特に入院当初は、慣れない環境で緊張していたり不安も多く、
普段よりも特に症状が強く出てしまうこともあるかもしれません。

どんな場合であっても、看護師は患者さんが円滑に治療を受けられるように
関係性を築いていく必要があります。

上手くコミュニケーションがとれないからといって諦めるのではなく、
そのような患者さんのサポートを行えるように、関わり方を考えていきたいですね。

長期の入院患者さんが多い

精神科は、他の病棟と比べて入院期間が長いです。
理由は、内服治療の効果が現れるまでに時間がかかることや、
患者や家族が疾患への知識を理解して受け入れることに時間がかかること、
社会のサポートの準備を整えなければいけないこと、などが考えられます。

また、精神疾患の正しい知識が乏しいことや、
精神科を受診をすることに抵抗がある人も多く、
重症化してからやっと受診に至るケースが珍しくありません。
当然、重症化してからの方が治療期間が長引いてしまいます。

ほとんどの患者さんが慢性的な疾患であるので、症状が安定したとしても、
長期的なフォローが必要にもなってくるケースも多いです。

これらのように、様々な要因によって入院が長期化してしまう傾向があるのですが、
長期化すると、患者さんはどうしてもストレスを抱えやすくなってしまいます。

看護師は少しでも患者さんのストレスを緩和させられるように、
時間が空いたら一緒に散歩に出て外の空気を感じてみたり、
季節の催し物を考えてみたり、
普段のコミュニケーションから患者さんのことを考えられるように心がけたいところです。

入院環境では、社会生活と離されてしまうために、対人能力であったり、
生活能力、社会に適応できる能力が低下してしまう恐れもあります。

症状は落ち着いたけど、社会能力が落ちたから退院できなくなった、というのでは
元も子もありません。

社会復帰ができるように、普段から生活技能訓練、精神療法などのリハビリで
社会能力を低下させないような取り組みが大切になってきますね。

 

精神科に入院されている患者さんによくみられる特徴をいくつか挙げてみました。
なんとなくイメージはできましたでしょうか?

とは言っても、全ての患者さんがこれらに当てはまるわけではありません。
人それぞれ、性格も特徴も異なります。
目安程度に考えてくださいね。

最初にも述べましたが、患者さんは一人の人間です。
「精神科の患者さん」と特別視するのではなく、
先入観を持たずに、誠実に関わってもらえたら嬉しいです(^^)

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自分に合った病院を探しましょう♪

精神科の患者さんとの関わり方 ~私が意識していること~

私自身、人と接することは正直苦手です。
人見知りなので、特に初対面の人とはおどおどしてしまってほとんど喋れません(笑)

そんな私ですが、患者さんと関わる時にはそれなりに自然に話すことができている気がしています。

精神科の患者さんとどう関わったら良いのかわからない、上手くコミュニケーションがとれないという方もおられるかもしれません。
参考程度にですが、私が精神科の患者さんと関わる時に意識している点をご紹介しますね。

患者さんに興味を持つ

まず、興味を持つことが一番だと思います。
患者さんとして、というよりも、一人の人として興味を持って関わるようにしています。
今までどんな人生を送ってこられたのか、何が好きでどんな趣味があるのか、
どんな仕事をされてきたのか、など。

興味をもつと自然と会話が広がっていきますし、
患者さんと関わる機会も増えます。

話の内容や、その話をする時の表情や態度などから、
患者さんのことを知る手がかりを掴むこともできます。

とは言え、興奮状態の時は、必要以上に関わることは刺激になってしまうし、
抑うつ状態の時には話す気力すらないということもあるので、
症状に応じて関わり方は考えた方が良いですね。

自分自身のこと、自分の感情を素直に伝える

いくら患者さんに興味があるからと言っても、質問攻めにしてしまうと気分は良くないですよね。
そのため、できるだけ自分のことは隠さずに話すようにしています。

自分からはあまり話してくれない患者さんでも、
私自身が自分のことを話していると、自然と患者さんも合わせて話してくれたりします。
その患者さんが話してくれた内容に対して、少し話を膨らませてみたり、
「私はこんな風に感じました」と自分の感情を率直に述べてみたり、
「話してくださってありがとうございます。またお話聞かせてください」
などと伝えると、次の時にも話しやすくなりますね。
以前話していた内容を出すと、会話をしっかり聞いてくれているという安心感にも繋がると思います。

相手がどんな人かわからないと、誰だって身構えてしまい素直に話せませんよね。
自分のことをオープンにして話してくれる人には、心を開きやすくはないですか?

こうやって会話を重ねていくことで、患者さんとの関係性も深まってくると思います♪

患者さんの感情を大切にする

患者さんが感情を話してくださった時には、
その感情は決して否定せずに共感するようにしています。

「うん、うん」と相づちで聞くのも良いですし、
「それは辛かったですね「とても悲しかったんですね」
とその気持を繰り返したり、違う言葉に置き換えたりすると、
より話を聞いているということが伝わるかもしれませんね。

気持ちを表現することが苦手な方もたくさんいらっしゃいます。

例えば、「何となくイライラした」という風に言う人がいたとします。
その時には順を追ってしっかりと話を聞いて、
「〇〇に対して□□だったから△△と感じたんですね」とまとめてあげると、
自分で自分の感情に気づける機会になると思います。

逆に、「こんなことがあった」と事実だけを言ってくる人や、
言葉ではなく、暴れたり自傷行為など行動で示す人もいます。
「それでどう感じたんですか?」「どうしてこのような行動をしたんですか?」
と問うことで、自分の感情を振り返ることもできますね。

「何となく」のままスルーしてしまうと、今後に活かせずに、
同じことの繰り返しになってしまいます。
何に対してどうしてそう思ったのか、まずそれを自分で気づけるようになることが
第一歩たと思うのです。

ちゃんと伝えてくれた時には、
「自分の感情を伝えられましたね」と評価したり、
「伝えてくれてありがとう」
「言ってくれたから理解ができて嬉しかった」
などこちらの気持ちを伝えると、より次に繋がっていくと思います☆

患者さんにも、自分自身の感情を大切にしてもらいたいと思っています。
それができるようにお手伝いをすることも、
精神科の看護師の大切なお仕事ですね(^^)

患者さんの気持ちがわからなければ、「こう感じたということですか?」
と正直に聞いてみることも良いと思います。

患者さんの考え方が自分と違う時には、
「〇〇さんはそう思ったんですね。私だったらこう思います」
「反対の立場だったらどのように感じますか」
などと、単に否定するのではなく、視点を変えてみるのも良いかもしれません。

無理に患者さんと同じ意見のように振る舞う必要はないと思います。
色んな考え方があって当然ですし、お互いに考えを尊重できる関係が理想ですよね♪

このようなやり取りの中から、感情の伝え方や汲み取り方を学べると思います。
患者さんとのコミュニケーションの中で、
自分自身も気づきや学べることはたくさんあるんですよ(^^)

患者さんとの約束は必ず守る

精神科では、患者さんとの信頼関係はとても大切です。

せっかく信頼関係を築けても、故意ではなかったとしても
約束を破ってしまうと一気に信頼関係は崩れてしまいます。
約束したのであれば、責任をもって必ず果たすようにしましょう。

しかし、看護師も人間ですからうっかり忘れてしまうこともありますし、
バタバタしていると時間通りにできないこともあるかもしれません。

そのような時には言い訳はせずに、誠実に謝罪をしましょう。
自分の非を素直に認めることも大切です。
できなかった理由と、患者さんに迷惑や嫌な思いをさせてしまったこと、
そしてそのことを申し訳なく思っていることを丁寧に説明すれば、
患者さんもきっとわかってくれますよ(^^)

守れない可能性があるのであれば、前もってそのことを説明して、
むやみに約束をしない方が良いと思います。
確実に自分が果たせることだけを約束しましょう。

小さなことでも、その積み重ねが信頼に関わってきますからね(^^)

患者さんのできているところを評価する

例えば、うつ病の患者さんなんかは、自己評価がとても低い方がおられます。
でも、自己評価が低いだけで、周りからみるとしっかりとできていることもたくさんあります。

そのため、小さなことであってもできていることはどんどん評価して気づかせてあげましょう。
入院当初はできなかったけど、徐々にできるようになっていくこともたくさん出てきます。
しかし、患者さんは自分でそのことに気づけていないことが多いのです。

「〇〇ができるようになりましたね」と伝えてあげることで、
患者さん自身もそれに気づくことができます。
自覚できた方が、治療にも前向きになれるし、
何より嬉しくて自信に繋がりますよね(^^)

できているところを伝えても、「まだしんどいし全然…」
と悲観的に返ってくることも多いでしょう。

それでも、「前はしんどくて寝ていることが多かったけど、今は朝から起きることができていますね」
などと具体的に事実を伝えてあげると良いと思います。

小さなことで良いんですよ。
できることが増えていくってすごいですよね(^^)

患者さんに振り回されない

患者さんの中には、我儘を言ったりわざと看護師を困らせるような行動を取る方も一部ですがおられます。

そのような患者さんと関わる時には、絶対に患者さんの都合に振り回されないように注意しています。

患者さんの言うこと全てに対応していては、時間がいくらあっても足りないし、
要求がどんどんエスカレートしてしまう可能性もあります。

「言えば何でもやってくれる」と思われてしまわないように、看護師として毅然とした態度で振る舞いましょう。

できないことはできない、ダメなものはダメ、はっきりと言うことが大切です。
もちろん、やみくもに断るのではなく、
何故できないのかを患者さんが納得のできるように説明をする必要はあります。

前は良かったけど今回はダメ、あの看護師は良いと言うけどこの看護師はダメと言う、
などのようにバラツキがあると、またこじれてしまうこともあります。
スタッフ同士で対応を決めておき、患者さんにもそれを伝えておくと良いでしょう。

また、そのような患者さんの言動の裏にはどのような心理が隠れているかも考えられると良いですね。

私が普段患者さんとの関わりで意識している点をいくつか挙げました。
別に特別なことではないと思いませんか?
普段の対人関係でしていることとそんなに変わらないと思います。

精神科の患者さんだから、と特別視する必要はありません。
一人の人として、丁寧に接することが一番大切です(^^)

細かく挙げると、
「笑顔で話す」「目線を合わせること」「間を大切にする」など色々あると思いますが、
それらは上記のことを気をつけていれば、自然とついてくることかなぁと思っています☆

患者さんには色んな人がいますので、一概にこうと決めつけることはできませんが、
患者さんやその場に応じて色んな対応ができるようになれれば良いですね。
私もまだまだ勉強中です(^^)

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